モダンピラティスとクラシカルピラティスの違い

ピラティス

〜私がクラシカルに惹かれた理由〜

はじめに

私がピラティスの資格を取得したのは今から16年前です。

当時学んだのは「モダンピラティス」でした。

ピラティスにいくつかの流派があることは知っていましたが、

「モダン」と「クラシカル」という2つの大きな分類があることは、その頃は意識していませんでした。

学びを重ねていくうちに、両者には明確な違いがあることを知り、

そして私は「クラシカルピラティス」に強く惹かれるようになりました。

今日はその違いと、私自身の気づきをお伝えします。

ピラティスの2つの系統

クラシカルピラティスとモダンピラティスの違い

クラシカルピラティスとは

クラシカルピラティスは、

創始者ジョセフ・ピラティスが考案したオリジナルメソッドを忠実に継承しているスタイルです。

エクササイズの順番や呼吸法、動きの流れなどをできるだけ当時の形で行う

• 創始当時の理論をそのまま体験できる

• 全身をバランスよく、体系的に鍛えられる

• 無駄がなく、自然な流れの中で体を整えられる

モダンピラティスとは

モダンピラティスは、ジョセフ・ピラティスの弟子たちが

それぞれの経験や専門分野を取り入れて発展させたスタイルです。

たとえば、

• 理学療法士出身の指導者は「リハビリ的要素」を重視

• ダンサー出身の指導者は「しなやかさや表現」を重視

といったように、弟子たちは自分の得意分野を活かしながら教え方を工夫しました。

その結果、「クラシカル(伝統)」と「モダン(現代的アレンジ)」という2つの系統が自然に分かれていったのです。

モダンピラティスの中には流派がある

モダンピラティスはさらに細かく、いくつかの流派に分かれています。

それは、ピラティス氏の弟子たちがそれぞれのスタジオで独自の教えを広めたことが始まりです。

現在では、それぞれのメソッド名がつき、世界中に多様なピラティスが存在しています。

私自身はすべての流派を学んだわけではありませんが、

モダンとクラシカルの両方に触れて感じた違いを、私の視点でお伝えします。

レッスン中の声かけ(キューイング)の違い

モダンピラティスの声かけ

モダンでは、体幹の筋肉(横隔膜・腹横筋・骨盤底筋・多裂筋)を意識しながら、

胸式呼吸を使って動きます。

レッスン中の声かけは、たとえば

「お腹を引き締めて」

「骨盤底筋を意識して」

といったように、解剖学的に体を意識させるものが多いです。

→ 筋肉を“正確にコントロールする”という印象です。

クラシカルピラティスの声かけ

一方、クラシカルピラティスでは、

筋肉を柔らかく長く使うことを大切にします。

声かけの例としては、

「体のつながりを感じて動いてみましょう」

「流れるようにしなやかに」

といったように、体の内側や全体の調和に意識を向けます。

→ “筋肉単体”ではなく、“全身のつながり”を感じながら動く印象です。

私が感じた大きな気づき

それは、

「ピラティスは筋トレとストレッチを同時に行う」

という言葉を忠実に行っているのがクラシカルピラティスだなぁーと感じました。

モダンを学んでいた頃は、この言葉の意味がいまいちピンときませんでした。

しかしクラシカルを体験して初めて、その感覚が腑に落ちたのです。

筋肉を固めるのではなく、伸ばしながら鍛える。

力を入れるのではなく、流れの中で支える。

そこに“しなやかな強さ”があると感じました。

クラシカルに惹かれていった理由

モダンピラティスも素晴らしいメソッドです。

現代人の身体の課題に合わせて発展してきたことにも大きな価値があります。

けれども私は次第に、

「もっと自然に、もっと深く、自分の内側とつながりたい」と感じるようになりました。

そしてクラシカルピラティスに出会ったとき、

「これだ」と心の底から納得したのです。

おわりに

最終的には、ジョセフ・ピラティスが伝えた“本来の動き”に戻りたくなる。

それが、私がクラシカルピラティスに惹かれた理由だと思います。

クラシカルを学ぶことは、体だけでなく心にも深く響きます。

原点を大切にしながら、今の時代に合った形でピラティスを伝えていきたい。

そんな想いで、私はこれからも学び続けていきます。